神魂別冊 「飛浩隆作品集」 刊行のお知らせ
飛浩隆をご存じですか?
飛浩隆は、1980年代から90年代初めにかけて「S-Fマガジン」に10作の小説を発表した人物で、92年以降沈黙を守っています。(当人によると「守っているわけではない(怒)」そうで、まあたしかに健康を害したわけでも人格が破綻したわけでもなく、ふつうの市民生活を楽しく送っておられるようですし、小説を書いていないわけでもないようです。)
飛浩隆の作品はごく一部のマガジン読者には大好評を博しましたが、寡作であることが災いしたのでしょう、結局単独の著作が出版されることはなく、読もうと思えば同誌のバックナンバーや当時発行されていた「S-Fマガジン」年刊アンソロジーを古本屋で探すしかない状態が続いています。
しかし、設定やキャラクターの安直な使い回しをせず、いかにも文系SFな世界・アイディアを「凝りに凝った」と評される文体で駆動する、カラフルでトリッキーな飛作品。一度は書籍の形態で実体化させたいという発行人の思いが、結実することになりました。そうです。著者自身の許諾を得て、「飛浩隆作品集」(全3巻)が刊行の運びとなったのです。
ここに刊行される「飛浩隆作品集」は飛浩隆が「S-Fマガジン」に発表したすべての小説を網羅するもので、SF書誌的には重要な意義を持っています。しかも、全作品に著者の詳細な解題が付され、さらに裏表紙には著者によるイラストがあしらわれるという大盤振る舞いです。
「とにかくレアなものは集めておけという方」や、わずかに存在が確認される「飛作品の載ったバックナンバーの探索者」の方にはまたとない朗報となることでしょう。
さあさあ、あなたもいますぐメーラを起動して申し込もう!(物好きな…)
お問い合せはokaten @ trash-box.netへ。(案内についてはtopページも見てください)
なお、平成15年末をもって全巻とも通販の取り扱いは終わりました。記録としてこのページは残しております。ご了承ください。
【第1巻】
収録作品
・ポリフォニック・イリュージョン
交錯する主観、崩壊する幸福な情景‥飛のコンテストデビュー作。
・異本:猿の手
「願いをかなえない」猿の手が招く恐怖! 実質的デビュー作。
・地球の裔
異星に生きながらえる人類の前に顕れる、地球の思い出。
・いとしのジェリイ
遺伝子トイの自立進化の果てに、見えた「ぼく」の肖像とは‥
・夢みる檻
破壊されゆく脳の檻の中で、かれは、いかにして救出されるか
・著者による解題
頒価 700円
送料 200円
【第2巻】
収録作品
・“呪界”のほとり
肩に竜を止まらせた偉丈夫は、アクシデントで魔術的宇宙域からはじき飛ばされ、見知らぬ砂漠で茫然‥
・星窓
空を封じられた街で売られる、額縁の中の宇宙。しかし「ぼく」は何も映さない窓を偶然手に入れる‥
・象られた力
封鎖された星系から届く「シジックの歌」とは‥。硝子柱の中に匿された「見えない図形」とは‥。代表作200枚!
・著者による解題
★初回封入特典(二度と入手不能!)つき・・・中身は秘密。
頒価 800円
送料 200円
【第3巻】
収録作品
・夜と泥の
華僑の末裔が入植した異星の沼地で、テラフォーム衛星たちが夜毎くりひろげる野外劇には驚愕の真相が。
・デュオ
地味なSFガジェット1個だけで構成された、類例のない音楽小説。最後にして最高の作品。150枚。
・著者による解題
★裏表紙イラスト書き下ろし!
頒価 800円
送料 200円
上記紹介文は、ほのかに自虐的な書き方がなされていますが、それは飛浩隆本人が書いているからです。